ケリー・ライカート
『ミークス・カットオフ』はケリー・ライカートには珍しく非=現代劇。それも西部劇だ。 西部を目指してやってきた入植者の一行。三組の夫婦・家族が馬車を引きながら茫漠たる荒野を渡り歩いていく。案内人を務めるミークという男は明らかに怪しい。彼が2週間…
ケリー・ライカートの映画の登場人物は、いつだって「ジリ貧」だ。 その特徴は自主制作した長編デビュー作『リバー・オブ・グラス』の時点からすでに見てとれる。 結婚して子供も三人いる専業主婦のコージーは、退屈な現実からの「映画みたいな」逃避行を心…
木漏れ日の中、木の棒を投げながら歩く女性と、それを走ってとりに行く犬。緩やかなドリー・ショットで切り取られたその光景は、幸せに満ちている。 ケリー・ライカート監督の『ウェンディ&ルーシー』はそう始まる。 ミシェル・ウィリアムズ演じる女性がウェ…