2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

フィアー・ストリート Part 1: 1994【千文字レビュー】

Netflixがまた『フィアー・ストリート』という変わった企画を打ってきた。同じ土地・違う時代に起こった3つの怪事件を、3週に渡って配信するという、ドラマシリーズと映画作品の中間に位置するような企画だ。 その1作目となるのが、この『1994』。この後『1…

プロミシング・ヤング・ウーマン【千文字レビュー】

かつて「(未来を)約束された女性=プロミシング・ヤング・ウーマン」だったカッサンドラは夜な夜なディスコで男たちへ復讐をする。そんなクソったれな男たちに一矢報い、アソコがヒュンッとなる想いをさせるリベンジ・ムービーだ。女性はスカッと痛快に、…

ウェンディ&ルーシー in ケリー・ライカート特集 【千文字レビュー】

木漏れ日の中、木の棒を投げながら歩く女性と、それを走ってとりに行く犬。緩やかなドリー・ショットで切り取られたその光景は、幸せに満ちている。 ケリー・ライカート監督の『ウェンディ&ルーシー』はそう始まる。 ミシェル・ウィリアムズ演じる女性がウェ…

24'07"21 山岳映画、縦構図

1920~30年代頃のドイツ映画には「山岳映画」という人気ジャンルがあった。その名の通り、主に山登りが作品の中心に置かれた映画群で、当時のことなのでもちろんCGなし、身体一つで崖や急斜面をよじ登っていくスリリングさを味わえる。 その中でも代表作とさ…

21'07"21: ナッドサット話法とルビ文体

今週、キューブリックの『時計じかけのオレンジ』を見直さなきゃいけない用事がある。そこで買ったまま本棚の一部になっていたアンソニー・バージェスの原作を読み始めた。 タイミングが見つかった時(たとえ薄い繋がりであろうとも)に結びつけて読んでかない…